発達心理学の新しいかたち
やはり専門書は読んでいて難しい。
憶え書き、引用
3種のエラーの定義
- ミステイク(mistake)
(行為に先立つ)状況に関する意識的な判断や推論の誤りである。
したがって、ある程度の意識的な判断や推論が含まれていない。普通なら誰もが間違えるはずのない単純な聞き誤りや見誤りなどは、スリップに含まれる。
- スリップ(slip)
意図した行為とは違う行為を実行するエラーである。ただし、上記のように、意識的な判断や推論が含まれているとはいえない単純な聞き誤り、見誤りなどの認識の誤りもスリップになる。
- し忘れ(lapse)
いったん行為の意図を形成した後、行為そのものの開始をし忘れるエラー、および、行為を開始した後で意図した行為の内容を忘れるエラー。
日常的なエラーの検知のされ方 (sellen,1994)
〜セレンさんの日常の記録〜
エラーのタイプ 検知のされ方 その説明 割合 スリップ及びミステイク(n;389) 行動にもとづく検知 誤った行為そのものの側面の特徴(反応がつくりだした、主として、視覚的情報、自己受容的情報、聴覚的情報)にもとづいてエラーを発見する 11.2% .. 効果(結果)にもとづく検知 行為そのものではなく、行為の効果(結果)のなんらかの側面の認識にもとづいてエラーを発見 39.5% .. 行為の選択機能の制約による検知 誤りの結果、外界の制約が、その後の行為を続けられなくさせるため、判明する 7.6% .. 他者による検知 自分で発見しないで、他者が発見 15.6% し忘れ(n;138) 思い出し/早期 し忘れは、それ以降の行為が続けられなくなるか、あるいは、行為を思い出すことで認識される 26.2% 〜ノーマンさんの考え 低次から高次へ 〜
- 開かない鍵の例
ある人が自分の車のところに行くのだが、鍵が開かない。それでどうするのかというと、もう一度、その鍵をさっきより水平にまっすぐ差し込んでみたりする。次には、鍵を裏返しにして、上下逆さまにして試してみたりもする。これでも開かないと、鍵を調べてみて、今度は他の鍵でやってみる。その次になるとドアをかちゃかちゃさせたり、揺さぶったり、叩いたりする。遂には鍵が壊れたと思い込んで、もう一方のドアから試すべく車の周りをまわる。その時になって突然、他人の車のドアを開けようとしていた事に気づくのである。
エラーはどのようにして見逃されるか。ミステイクに気づきにくい理由
- (ペテロ効果)
〜3度の自己中心的説明による否認・否定〜
- ノーマンさん
〜(外界の情報を誤って評価した結果)間違ったゴールを設定したのならミステイクだ。というのも、間違ったものとはいえ、そのゴールについて言えば適切に実行されているから。〜
- リーズンさんの定義
〜ミステイクとは、ある目標の選択、あるいはそれを達成する手段の指定に含まれている判断および/または推論過程の欠陥あるいは失敗である。それは、この判断の枠組みによって方向付けられた行為が、プラン通りに遂行されるかどうかには関係ない。