プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))作者: P・F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2000/07/01メディア: 単行本購入: 88人 クリック: 689回この商品を含むブログ (419件) を見る

評価     ⇒ ★★★
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ドラッカー著書を読むのは確か3冊目、今回の読書は凄く身になったと感じるので、感想を交えて記しておく。

知的生産、マネジメントをキーワードとして、資本主義まで/今後の分析を行いつつ、ポスト資本主義に関する議論を展開。
過去の歴史(産業革命etc)と見比べた上での現代社会とその今後、情報技術の進化についても触れている点あたりが凄かった。


ドラッカーの言い回しは、なるほどと”腑に落ちる”表現が多い。
2000年の著書と比較的新しく、まだまだ陳腐化するような内容ではない。


序文

 今日ののころ、2020年ないし25年の企業の姿がどのようなものになるかは誰にも分からない。
しかしソレが、今日とは全く異なるものになるであろうことは明らかである。その原因となるものが、人口構造の中身の変化である。
 19世紀半ばに至ってさえ、事業の成否はコスト格差、すなわちいかに安くつくるかにかかっていた。20世紀に入って、それは今日のいわゆる戦略の有無に変わった。
(中略)
だがそのころには、すでに事業の成否は、知識の有無に移行しつつあった。

ドラッカー1950年代〜60年代の知識労働者分析の活動を振り返っている。


知識労働者は、もはや自らのアイデンティティを雇用主たる組織に求めなくなっており、専門領域への帰属意識をますます強めている。

人とに”何しているか”と聞けば、”〜〜で努めてます。” という返事が一般的であった。
でも今日では、”〜〜をやっています。”という答えが返ってくる。

これからの組織、特に企業を変えていくものは、技術や情報やeコマースの発展よりも、むしろこの意識の変化である。

企業、政府機関、NPOのいずれでれ、マネジメントの定義は一つしかありえない。それは人をして何かを生み出させることである。今後、組織の競争力はこの一点にかかっている。もやは経済学のいう生産資源、すなわち土地、労働、資本からの競争優位は得られない。確かにこれらの資源を使いこなせなければ不利を招く。だが今日では、あらゆる企業が、同一の価格でいかなる原材料も手に入れられる。資金は世界中から調達できる。

いまや唯一の意味ある競争力要因は、知識労働の生産性である。その知識労働の氏絵賛成を左右するのが知識労働者である。雇用主たる組織の盛衰を決めるのも、一人一人の知識労働者である。

これからの数十年にわたって、知識労働者として活躍する人としない人、知識経済において繁栄する組織としない組織の差は歴然となる。まさに本書は、読者の方々が、成果をあげ、貢献し、自己実現していくことを目的としている。

目次
Part1 〜いま世界に何が起こっているか
Part2 〜働くことの意味が変わった
Part3 〜自らをマネジメントする
Part4 〜意思決定のための基礎知識
Part5 〜自己実現への挑戦

Part1 〜いま世界に何が起こっているか

  1. ポスト資本主義への転換
  2. 新しい社会の主役は誰か

Part2 〜働くことの意味が変わった

  1. 生産性をいかにして高めるか
  2. なぜ成果があがらないのか
  3. 貢献を重視する。

Part3 〜自らをマネジメントする

  1. 私の人生を変えた七つの経験
  2. 自らの強みを知る
  3. 時間を管理する
  4. もっとも重要なことに集中せよ

Part4 〜意思決定のための基礎知識

  1. 意思決定の否決
  2. 優れたコミュニケーションとは何か
  3. 情報と組織
  4. 仕事としてのリーダーシップ
  5. ヒトの強みを生かす
  6. イノベーションの原理と方法

Part5 〜自己実現への挑戦

  1. 人生をマネジメントする
  2. 教育ある人間が社会をつくる
  3. 何によって憶えられたいか
  • eコマースが意味するもの 〜IT革命の先になにがあるか